令和4年10月から電子申請・届出システムが運用開始になりました。
電子申請・届出システムの運用開始にあたり、指定申請等の標準様式例も改定し原則化されました。
2024年4月からは「電子申請・届出システム」の仕様を基本原則化するために省令と告示の改正が行われます。
介護の分野でも、事務負担の軽減に向けて取り組みがなされ、少しずつ変化が起こっています。
現在の取り組みや今後進められる電子申請についての現状を厚生労働省のこちらページの情報をもとにお伝えします。
厚生労働省の取り組み
介護分野において、国、指定権者・保険者及び介護サービス事業者間でやり取りされている文書の中で
主に指定申請・報酬請求・指導監査に関する文書の負担軽減策について検討が行われ、以下の3つの観点で取組が進められています。
個々の申請様式・添付書類や手続に関する簡素化
自治体毎のローカルルールの解消による標準化
共通してさらなる効率化に繋がる可能性のあるICT等の活用
※厚生労働省では取り組みが進められていますが、例えば、総合事業の指定申請書を修正を加えずに利用されている自治体は34.1%、
加算の届出の様式を修正を加えずに利用されている自治体も55.9%にとどまっているという報告もあります。
介護文書の負担軽減例
令和3年3月30日発信の文書で記載がある一例を記します。
・変更届の提出が遅延した場合の遅延理由書について
介護サービス事業者は変更届の提出期限を遵守しなければならないが、やむを得ない場合は遅延理由書までは求めないなど過度な負担をかけない
・更新申請時の文書
介護サービス事業者が更新申請時、既に指定権者に提出していて変更がない場合、特段の事情がない限り、省略させること
・介護サービスと介護予防サービスの指定を受ける場合の取扱い
例えば、介護予防訪問看護の指定を受けようとしている事業所が、訪問看護の指定を受けている場合、
既に都道府県知事に提出している事項について変更がないときはそれらの事項にかかわる申請書又は書類の提出を省略させることができる
実地指導等についての見直し
実地指導等についても見直しがされました。
実地指導マニュアルの改訂で始動形態を見直し、
事業所の運営状況により実施頻度についてメリハリをつけることや
老人福祉施設の監査の頻度については、通常は毎年1回でしたが、適正な施設運営が確保されている場合には、
原則として3年に1回にするというような見直しがされています。
現在の監査のことがかかれた運営指導マニュアルや各種加算等自己点検シート等はこちらに詳しい内容が記載されていますので、
参考になさってください。
電子申請・届出システムとは
介護分野の文書に係る負担軽減の取組の一環として、介護サービス情報公表システムを改修して作られた
ウェブで指定申請ができ、対面をしなくても提出ができるシステムです。
申請に不備があった場合もウェブ上で再申請ができるようになっているようです。
運用が始まり、使い始めた時にはどうしていいかわからないこともありそうですが、慣れてくるととても便利になり、効率化できそうです。
ローカルルールの見直し
令和4年9月29日の事務連絡「指定居宅サービス事業所等の指定に関する様式例の改訂について」の留意事項で
「様式の共通化や業務負担の軽減を通じた生産性の向上を図る観点から、様式例は、原則として都道府県等において変更を加えずに御活用ください。」
と明記されました。
ただ、
自治体の条例等によって、様式例の記載事項以外の内容について事業者に提出を求める必要がある場合は、
「様式例の欄外に記載欄を追加する」または、「別紙での提出を求める等の対応を行うこと」
とされていますので
様式には変更がないものの一部の都道府県では、実質はローカルルールが残ることになりそうです。
標準化された様式についてはこちらのページの下方にアップされています。
電子申請・届出システムはいつから利用できるの?
自治体ごとに開始時期が違っています。
実はすでに運用開始になった自治体があり、
令和4年10月(第1期)から開始となったのは、33自治体(令和4年7月1日時点)と厚生労働省から発表されています。
開始となった自治体が少ないように思いますが、
第2期(令和5年上半期)には新たに93自治体が開始の意向を示されています。
自治体の準備調整ができないと開始できないため、全国に運用が広まるまでには時間がかかりそうですが、
令和7年度には全自治体が開始することを目標にされているようです。
以上のように、介護業界でもICT化が進みつつあります。
事務負担の軽減のため以外にも、介護の質の向上のためのLIFE(科学的介護情報システム)の利用促進や
令和5年4月から居宅支援事業所とサービス事業所間の情報連携をする「ケアプランデータ連携システム」も始まろうとしています。
生産性向上の取り組みの中にもICTを活用した情報共有がうたわれています。
介護事務の負担軽減から仕事の効率と質を上げることができる介護システムを利用してみませんか?
弊社では、LIFEや居宅支援事業所とサービス事業所間の情報連携にも対応しています。
また、パソコンが苦手な方でもわかりやすいシステムのつくりになっております。
この機会に製品情報をご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。
>>>業務効率化の関連記事
「ケアプランデータ連携システムの準備をはじめませんか?」はこちら
業務効率化とコスト削減が期待できるの?「ケアプランデータ連携システム」はこちら
「ICT導入補助金事業が拡充されます(令和5年度)」はこちら