特定事業所集中減算まるわかり!

年に2回(9月・3月)特定事業所集中減算の判定時期がもうすぐやってきます。
集中減算のちょっとしたポイントもおさえながら、わかりやすく解説します。

特定事業所集中減算は何のため?

平成30年の事業所調査によると、「併設施設なし」と回答した居宅介護支援事業所は10%であり、ほとんどの居宅介護支援事業所が同一法人として何らかの併設サービスを提供していることがわかります。
制度上何も制限がない場合、サービス提供事業所が担当ケアマネージャーの併設事業所に偏ることが想定されます。
そこで、公正中立なケアマネジメントの確保するための取り組みとして「特定事業所集中減算」が創設されました。

特定事業所集中減算の制度について



判定は誰がいつ?

毎年度、年2回、居宅介護支援事業所が集中減算を判定する様式を作成する必要があります。
前期分(3月~8月)は9月に、後期分(9月~2月)は3月に判定をします。

判定方法は?

作成した居宅サービス計画に位置付けられたサービスの提供総数のうち、もっとも紹介数の多い法人のサービスの
占める割合が80%を超えているかどうかを記載します。
判定対象のサービスは「訪問介護」「通所介護」「地域密着型通所介護」「福祉用具貸与」の4サービスです。(予防は含まれません。)

作成した様式には保存期間があります

サービスの占める割合の計算結果が80%を超えていなかったとしても、様式を作成して5年間保存する必要があります。
該当しなかったら安心!というわけではないのでご注意ください。

80%を超えた場合どうするの?

超えるに至った「正当な理由」がある場合は、理由書等を保険者に提出し、正当な理由に該当するかの判断を仰ぎます。
正当な理由と認められた場合は、該当するとされた件数をケアプラン数から控除し計算し直すことができます。

再計算しても80%を超える場合や正当な理由がない場合、特定事業所集中減算の様式(チェックシート等)を記入し、保険者に提出します。
特定事業所集中減算の対象となった場合は、減算適用期間のすべての居宅介護支援費において、1件につき200単位が減算されます。
とても大きな減算になりますのでご注意ください。

なお、減算適用期間が開始される場合も減算適用期間が終了になる場合も、介護給付費算定に係る体制等状況一覧表などの提出
必要になりますので合わせてご注意ください。

「正当な理由」とは

主な理由について、介護給付費分科会(第142回 H29.7.5)の資料をもとに説明します。
①居宅介護支援事業者の通常の事業の実施地域に訪問介護サービス等が各サービスごとでみた場合に5事業所未満である場合などサービス事業所が
少数である場合
② 特別地域居宅介護支援加算を受けている事業者である場合
③ 判定期間の一月当たりの平均居宅サービス計画件数が20件以下であるなど事業所が小規模である場合
④ 判定期間の一月当たりの居宅サービス計画のうち、それぞれのサービスが位置付けられた計画件数が一月当たり
平均10件以下であるなど、サービスの利用が少数である場合
⑤ サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合などにより特定の事業者に集中していると認められる場合
⑥ その他正当な理由と都道府県知事(指定都市及び中核市においては、指定都市又は中核市の市長)が認めた場合
災害時、緊急時等で受け入れ可能な事業所が限定されている場合など

特定事業所集中減算の判定の計算方法(端数処理)

居宅サービス計画の総数」とは、ケアプランを作成し実際にサービスの提供があったものの総数です。
対象期間にサービスを提供した給付管理票の件数と覚えておきましょう。

まず初めに、サービスごとの判定期間の居宅サービス計画数を数えます。(①)
次に、サービスごと、同一法人ごとの計画数を数えます。(②)
最後に、「②÷①×100」の計算をして出た割合で判定します。
同一法人の割合が80%を超えると減算の対象となります。

以下に例を挙げます。



1人の利用者に対して、同じサービスで別の法人のサービスを提供した場合、
同一法人の占める割合が減るのでは?とお問い合わせがあることがありますが、減ることはありません。
それぞれの法人の提供するサービス計画数のカウントが増えるだけとなります。
紹介率を下げるためには紹介率が高い法人を使っていない利用者を増やすことしかありません。

通所介護と地域密着型通所介護の扱いについて

平成28年4月1日から特定事業所集中減算の対象サービスに「地域密着型通所介護」が加わりました。
平成30年4月1日以降に作成した居宅サービス計画数については、通所介護地域密着型通所介護合わせて計算しても差し支えないとされています。
合わせて計算された方が減算の対象となりにくいと思われます。
※提出先によって指定がある場合があります。必ず提出先に確認してから計算を行ってください

最後に

特定事業所集中減算を判定するには、6ヶ月分のサービス計画をまとめて集計することになります。
提出時期近くになって、減算にならないよう調整することは難しいこともあると思います。
そうならないためにも定期的に確認をしておくと安心です。
件数が多くなると、手計算をするのは億劫になりますね。やはり、介護ソフトで管理されることをお勧めします。

FlowersNEXTひまわりでは

FlowersNEXTひまわりでは、給付管理票の件数や予定件数から、特定事業所集中減算の判定を行うことができます。
また、月ごとに法人別利用者別など、あらゆる角度から特定事業所集中減算の判定の確認を行うことができ、
通所介護と地域密着型通所介護のサービス計画数の合算にも対応しています。
毎月の紹介率を簡単に把握できるので、一つの事業所に集中していないかの把握にお勧めです!

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